研究テーマを与えられることの危険性

みなさんは学部生・大学院生時代、どうやって研究テーマを見つけましたか?自分で興味があること・突き詰めたいことを見つけ研究にのめりこむことができた方もいるでしょう。しかし、このような研究テーマの見つけた方をできる方は極めて高い研究センスを持っている方や博士課程の学生ぐらいではないでしょうか?

また、指導教員が全く指導してくれない放置系の研究室にいたならば、自分で先行研究を調べ、自分で研究テーマを見つけてきた方もいるのではないかと思います。

上で紹介したタイプの方々は、研究テーマを立案し、検証し、論文にしていく過程を繰り替えし行ってきたため、(良い研究ができるかはさておき)研究をする力が身に着いていると思います。問題となるのは以下の方々です。

ほとんどの学部生・修士課程の学生は

研究室の指導教員や共同研究先に研究テーマを与えられていた

のではないでしょうか。このような方々は与えられたテーマをこなしていくことで、研究のやり方や発表の仕方や論文を書くプロセス・手法を身につけられたと思います。しかし、最も重要な

自らの力で研究テーマ・研究のアイデアを立案する力

が欠けているのです。

この記事で伝えたいこと

そこで、研究テーマを与えられてきた方々に

  • 自分で研究テーマを考えられないことについて警鐘を鳴らすこと

を目的に記事にしていきます。

いつまでも指導教員・共同研究者に頼っていると大変なことになるよ

近年、学振や奨学金免除者に採用されやすくなるために、学部・修士課程の早い段階で論文などの成果を出せるようにする指導をする研究室が増えているように思います。

そのため、研究テーマを先に与えてしまう研究室が増えているのではないでしょうか。

このような方針で研究を進めてしまうと、

指導教員の計算・実験マシーンになってしまう

研究をやっているといっても、誰かの考えたアイデアを検証するために、計算、および実験しているだけなので、与えられたことやる都合の良い道具と変わりません。

たとえ与えらたテーマだったとしても、自分のアイデアを組み込みながら研究を進めていくことをおすすめします。

自分で研究テーマを見つける、アイデアを出す力が鍛えられない

今までは、複雑な計算や難しい実験をすることで問題を解くことに価値があったかもしれません。しかし、研究ではまず問題作りの方が重要です。

研究テーマを考え、検証し、失敗を繰り返す。そうやって苦しむことで、研究テーマを見つけることができます。研究テーマを与えられるということは、この過程をスキップしてしまいます。そのため、研究のアイデアを出す力は養われません。立派な成果はありますが、実力が付きません。

楽をしたツケが回ってくる

いままで、研究テーマを自分で考えてこなかった、指導教員に言われるがままに研究をしてきたツケは必ず回ってきます。

  • 研究について深く理解していないため、学会などで炎上する可能性がある
  • 実力に伴わない成果を持ってしまう
  • 独り立ちしたときに困る。卒業後も指導教員に頼ることになる。(研究室のOBで准教授になっても指導教員と研究している方がいました)

研究テーマを与えられ、手取り足取り指導してもらい成果を多く上げていた方、危機感を持ちましょう。

独立したときに、院生時代、研究テーマの立案に苦労した方々にすぐに追い抜かれます。

じゃあ、どうやって研究テーマを考えればいいの?と思う方がいると思うので、自分が最近取り組み始めている、研究テーマの見つけ方について、別の記事にて紹介したいと思います。

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