メーカー研究職になってから、約半年が経ちました
私は2023年の3月に大学院(物理学専攻)を卒業し、23卒としてメーカーの研究所の研究職として就職しました。就職してから、約半年が経過したので、この期間に体験したこと、感じたことをブログにしていこうと思います。これから、大手メーカー就職を狙う就活生や研究職を目指しているみなさんのお役に立てたら良いなと思っております。弊社はいわゆる、JTC(伝統的な日本の大企業 、Japanese Traditional Company)と呼ばれる企業です。本記事では、入社後の各月に起きた出来事を簡単に説明していきます。各体験の詳細についてはそれぞれ個別に記事にする予定です。
後半2023年9月から2024年3月の様子を知りたい方はこちらをご覧ください
以下、コンテンツです:
もくじ
携わっている分野
私は、現在、社内のITシステム開発環境の向上、効率化などに携わっています。
私の自己紹介についてはこちらをご覧ください。
4月
入社式
都内の高そうなホテルで、事業部や研究所へ入社する新入社員の入社式が行われました。朝8時から夜18時くらいまで、ひたすら社長などのお偉いさんの話を聞いていました。ほとんど寝ていました。
新入社員研修
自分の会社の研究職は新入社員研修が4月いっぱいまでありました。
新入社員研修の主な内容を以下に示します
- 社内用パソコンなどの電子機器の配布や設定
- 社内のルールなどの説明
- 会社を良く知るための座学を、会社説明会で聞くよりもさらに詳しく聞かされる
- ビジネスマナーなどに関する動画をひたすら観たり、グループワークを行う。
- ロールプレイング (グループ分けされ、会社の製品や技術を良く調べて、ビジネスを考え、オンラインで発表を行った)
研修はオンラインと対面がそれぞれ半分ずつあり、対面の研修は、会社のサテライトオフィスで行われ、このとき、営業やエンジニア職の新人の方々との交流もありました。営業やエンジニア職の方々は陽気な方が多少いましたね
座学を聞いたあと、グループディスカッションなどがありました。
基本的に座学が多めであり、個人的には結構退屈でしたが、ただ座っているだけでお給料がもらえるのはうれしいですね
座学では会社の歴史や事業などについてかなり詳しく聞くことができ、詳しい資料もいただけるので、よく勉強しておくと今後役立つと思います。
新人研修終了後はゴールデンウィークに突入し、約10日間の長い休みが始まりました。社会人になってもこんなに長い休みがいただけるのは大企業のメリットの一つかもしれませんね
5月
ゴールデンウィークが終わり、本格的に業務がスタートしました。私はジョブマッチング形式で採用していただいたので、配属される部署はすでに決まっていました。
業務内容が具体的に決定する
私が配属されたのは、ITと金融が混ざったような研究を行う部署です。学生時代、物理しかやってこなかったため、ITや金融に関してはど素人でした。そのため、具体的な業務内容は決まっていないまま入社をしました。担当業務はゴールデンウィーク明けに知らされることになります。また、指導員として先輩社員が1人付き、私の指導をしてくれることになりました。
あまり公に業務内容は公開できませんが、ITインフラエンジニアと呼ばれる職業に近い業務内容を担当することになりました。必要な知識として、AWSやGCPなどのクラウドサービス、Dockerなどのコンテナ技術などを覚える必要がありました。私はITに関して素人なので、まずは勉強から始まることになります。
業務が苦しかった理由
ただ座ってればいい新人研修、長いゴールデンウィーク後の、この5月は本当に苦しかったです。その理由を詳しく説明していこうと思います。
ITインフラは、今まで物理しかしてこなかったものがいきなり学ぶのは結構大変
コンピュータサイエンスに関する知識 (基本情報技術者試験や応用情報技術者試験で問われるような知識)は、基本的に物理学科では授業でも習う機会は少ないですし、研究で使うことはありません。また、ITインフラエンジニア職というのは、それなりにIT知識に明るく、開発経験のある方が就くことで、真価が発揮されると考えています。そのため、ITに関する知識がゼロの状態かつ、開発経験ゼロの私がITインフラエンジニアの業務をやることはかなり難易度が高く、勉強するべきことも多かったため、かなりきつい始まりとなりました。
指導員はITインフラに詳しいわけではないので、あまり質問できない
社会人になると「わからなかったらすぐに質問してね」と言われると思います。しかし、私は質問ができず苦しみました。前述した通り、わからないことは無限にでてきますし、知識不足により何がわからないかがわからないという状態に陥ります。しかし、指導員はとくにITインフラに詳しいわけではないため、私が質問しても答えられないかネットで調べればわかるような知識しか教えられず、質問する意味がありませんでした。また、指導員であるにも関わらず、「私わからないので、他の人に聞いてください」と投げやりにされてしまいました。しかし、新入社員の私には誰に聞けばよいのかわからずに途方に暮れてしまいました。
そこで、自分で専門書などを調べ読み込みを行い知識を増やしていきました。
研究テーマとして面白くなかった
理論物理学の研究の立場から見れば、私の業務は研究の本質ではない、環境構築やツールの調査です。そのため、業務内容を知った日から、こんなのは研究ではない、自分は何をやっているんだと日々考え、つまらないなと思っていました。
6月
転職・大学院へ戻ることを考え始める
5月は比較的知識の習得が中心でした。最初に少し感づいてはいたのですが、企業の研究とは、自分が理想としていた研究とは大きくかけ離れており、少し絶望し初めておりました。このまま、ここにいて大丈夫なのか?そう思い、転職エージェントに相談をしたり、前RAとして務めていた研究所のボスへ相談をしたりしました。結局、辞めるということはなかったのですが、結果的に相談したことが、自分にとってプラスになりました。
企業の研究は大学とは違う
おそらく研究職を目指す多くの皆さんは、企業での研究は大学院でやっていたような何か新しいものを見つけ、学会や論文で発表していくようなものを想像していると思います。また、私のように物理や数学などの基礎的な研究をやっていた方は、企業に行けば社会貢献に直接つながる応用的な研究ができると期待しているのではないでしょうか。しかし、実際にこのような業務に就くことができる方は一握りです。ほとんどが、会社の事業部に対するコンサルような業務が多いと思います。自分で研究内容を考え、実行していくというよりは、事業部から依頼を受けて、調査しパワポにまとめて、事業部へ向けて発表していく。この事業部への発表に向けて、新人は様々な上司にパワポを添削していただく、発表のための発表があります。これが俗にいう企業の研究職はパワポ職人であると言われてしまう理由の一つであると考えています。
飲み会の幹事を強制的にやらされ、コロナウイルスに感染する
初めての飲み会で幹事をすることになりました。前ぶりもなしにメールが回ってきて、勝手に幹事にされていました。さらに、コロナウイルスに感染している家族がいるにもかかわらずに黙って飲み会に参加した先輩社員のおかげで私はコロナウイルスに感染してしまい、1週間、病欠による欠勤で休む羽目になりました。参加したくもない飲み会に強制的に幹事にされたあげく、コロナウイルスをうつされてしまいました。今でも思い出すたびに腹立たしくなります。
7月
業務がそこそこ楽しくなってくる、慣れてくる
5、6月に勉強を続けていたおかげで、ITに関して初歩的な知識が身に着いてきたため、業務が楽しくなってきました。今までよりもわかることが増えたからだと思います。しかし、また、わからないことが増えて、苦しい時期がやってくると思います。大学院での研究もそうですが、企業でも苦しい時と楽しい時の繰り返しだと思います。
指導員交代を願い出る
私は業務の苦しさは何とか耐えることができました。しかし、人間関係の苦しさは耐えることができませんでした。指導員は私よりも15歳ぐらい年上の方で、考えなどが合わず、また、指導員に対するストレスで生命の危機を感じたため、遂に指導員交代を願い出ることになります。指導員が変わってからは、今まで感じていたストレスはなくなりました。やはり、自分で環境を変えていくことは大切です。
8月
初めてのお盆休み
社会人になって、初めてのお盆休みがありました。大体10日間ぐらい休みがあり、ここは大企業のいいところですね。私は大学院時代もお盆は研究していたので、何をしたらいいか迷っていました。結局自身の勉強不足を感じていたので、コンピュータサイエンスや英語の勉強をしていました。
事業部へ初めての発表を行う
いくつかの携わる業務のうち、事業部の方々へ初めて発表する機会がありました。初めての発表ということもあり、上司の方に細かく添削されました。研究とは違い、内容の厳密さ正確性はどうでもよくて、発表内容に対してなぜそのような調査を行ったのか?、調査したことで会社に何ができるのか?を求められている感じでした。事業部の方は技術に知識がない方が少ないため、技術詳細はどうでもいいというのは、企業らしいなと思いました。
今後
私のブログではJTCがどんな企業なのか、JTCの研究職やIT職とは?を実体験をもとに紹介していこうと思います。また、9月以降に関する内容も更新していく予定です。
後半編を書きました!